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ウインマリリン 【札幌記念2023】

札幌記念の各馬分析8頭目はウインマリリン。6歳となりましたが、GⅠ馬であり、昨年も本レースを好走したリピーターですので、警戒したい存在です。

結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。

札幌記念の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。

基本情報

ウインマリリン:牝6歳:スクリーンヒーロー×米国型:前走ドバイSC6人気6着:松岡

結論

■デビュー当初から折り合いが良く、先行力もあるために操縦性が高く終始最内を周ってロスを完全に省いた競馬ができること、先行力がありながらゴールまで長く脚を使って末もまとめられること、小回りのコーナーでもニュートラルで(追い出さずに)コーナリングし加速できることが強みで、【9】戦目日経賞や、【11】戦目オールカマーで結果を出しているように、序盤スローでいって残り5F付近からロングスパートする展開への適性が高い
■関西圏へは7度輸送されているが馬券圏内はエリザベス女王杯での1度のみで、遠征対策での早めの栗東入りなども行われているように遠征よりも地元競馬、滞在競馬での方が調整しやすいタイプである
■肘に持病を抱えており、この影響もあって調子にはかなりムラのあるタイプで、過去追い切りで併せ遅れていた秋華賞、エリ女2021、大阪杯の3戦では全てで大敗しているように、併せ馬で遅れるような状態では黄色を通り越して赤信号と判断できる
■道悪については過去に陣営や鞍上から苦手とも取れるコメントも出ているが、エリ女2022では重馬場でも結果を出しており、大きくは割り引かなくてもよい
■札幌記念自体は昨年も結果を出しているように適正はあるだろうが、今年は2週前追いの段階で鞍上からは「ちょっと体の張りが足りなくて、息も少し重い。幅もなく感じる」とコメントが出ており、1週前追いでは3歳未勝利相手に併せ馬で遅れている、赤信号と判断してここでは軽視したい

全レース分析

2歳

【1】中山2000m新馬:1着:横山武
・陣営からは「スタミナ十分で長めの距離があっている」とコメント、追い切りはPとW主体で週末に坂路、最終はWで併せ併入、時計は幾分軽め
・レースは37.9 – 64.4 – 35.4で残り5Fから1.2加速して12.0 – 12.2 – 11.9 – 11.5 – 12.0というラップ
・中枠から歩くようなスタートを切ると二の脚の違いで2番手外目を折り合って先行、4角で前を捕まえにいくと先頭で直線進入、上がり2位で突き放して優勝

3歳

【2】中山1800m1勝クラス(稍重):5着:1ヶ月:松岡
・追い切りはここもW主体で時計は全体的に軽め、併せ馬も数本行われ最終も併せ先着
・レースは時計かかる稍重の中37.3 – 62.5 – 35.3で残り3Fから0.6加速して12.0 – 11.6 – 11.7という展開
・内枠からつまづき加減のスタートを切ると中団前目のインを追走、残り3F付近から追い出されるも馬群の中で番手を上げられず、4角から直線で外目に出されると伸びたが先に抜け出した組との差は詰められず5着敗戦、展開を考えれば直線入り口でもう少し前のポジションにいたかった

【3】中山2000m1勝クラス(稍重):1着:2ヶ月:横山武
・追い切りはここもW主体で軽めも1週前と当週の終いは前2走よりは幾分伸ばされていた、陣営からは前走を振り返って「1800mの流れは忙しい」とコメントがあった
・レースは時計かかる稍重の中35.6 – 61.0 – 37.0と上がりかかる展開で、先頭が逃げ馬から勝ち馬に変わるタイミングの残り2Fからラップ加速する展開
・内目の枠から五分のスタートを切ると中団馬群を追走、残り500mから追い出されるとアッという間に先頭に並びかけ直線は離しにかかっての優勝、前傾ラップになった中で末脚を伸ばした

【4】フローラS:1着:1ヶ月:横山武
・追い切りは併用で最終はWで併せ併入、時計は軽め、馬体は-10kgしていたが陣営からは「体も締まって、いい状態で臨める」とコメントがあった
・レースは砂埃の舞うような強風の中35.1 – 58.6 – 35.7で、道中11.9以下が続き、残り800m – 600mで12.5を挟んで11.8 – 11.8 – 12.1という3歳5月の牝馬にはタフ目な展開
・内枠からスタートすると後手を踏まぬよう出されてインを先行、4角も内で回って追い出されると残り300mで先頭、直線で鞍上がムチを落とすアクシデントがあったが上がり2位で後続の末を凌いで優勝、軽い瞬発力というよりは力強く長く伸びるというイメージで父系のRobertが出ている感じ

【5】オークス:2着:1ヶ月:横山典
・ここはW主体週末坂路で時計的には大きく変わりなかったが、最終追い切りに乗った横山武は「これまでで一番の出来」とコメントしていた
・レースは35.4 – 59.8 – 34.2で前半5Fを淡々と進めた後12.7 – 13.0 – 12.6と3F息を入れて残り4Fから0.5、0.9と加速して12.1 – 11.2 – 11.2 – 11.8という展開
・外枠からスタートすると出ていって逃げ馬から3馬身ほど離れた2番手を折り合って追走、残り4F手前から外から各馬ポジションを上げてきたことで本馬はインを追走、直線は逃げ馬のさらに内の最内を突くと最後まで伸び切っての2着

【6】秋華賞(稍重):15着:5ヶ月:横山武
・初の関西遠征競馬、追い切りはW主体でこれまでより末が伸ばされていた、また1週前は緩い時計だが併せ遅れており、遅れるのは初、馬体は+12kg
・レースは時計のかかる稍重の中34.9 – 59.4 – 36.4で残り4Fから0.6加速して12.1 – 12.4 – 11.9 – 12.1というラップ
・外枠からスタートすると先団にとりついて2番手を追走、勝負所4角手前ではもう手応えが怪しく直線では後退するだけの15着敗戦、上がりかかる展開で上がり1位と同率2位で1 – 4着を占めるなど後方から差した馬に展開向いたが、フローラSやオークスを思えば負けすぎ感は否めない
・レース後鞍上からは「久々の分の影響もあったのでしょうか、本来のこの馬はこんなに負ける馬ではありません」とコメントあり、休み明けで馬ができていない状態だった可能性が高い

【7】エリザベス女王杯(阪神2200m):4着:1ヶ月:横山武
・追い切りはWで末だけ伸ばす形で1週前には併せ先着、当週も併入していた、陣営からは前走について「イレ込みが激しかったので金曜に輸送してスクーリングもする、(中略)体に余裕もあった」とコメントがあった
・レースは34.9 – 59.3 – 34.8で入りの3Fを12.6 – 11.1 – 11.2と早めに入るとその後は12.1付近が続く持続的な展開で、ラスト3Fは11.9 – 11.1 – 11.8と残り2Fから前が(先頭が逃げ馬から差し馬に)変わって0.8加速する展開
・中枠外目からスタートすると出て行って序盤は3番手の外目を追走、その後向正面で内目に入れてインを追走した、残り4Fから外から各馬が押し上げて4角では馬群のインという形、直線では逃げ馬のさらに内の最内を選択するとゴールまでしっかり伸び切って4着
・【4】戦目フローラS同様タフ目な展開を前受けした中で末も伸ばした形で、展開に依らず先行して末もまとめられるのが強み

4歳

【8】AJCC(不良):6着:2ヶ月半:横山武
・4歳牝馬で斤量は53kg、陣営からは「久々だけど急仕上げだった秋華賞とは状態が違うし」とコメント、追い切りは2週前に自己ベストの南W5F67.0 – 12.7、1週前は終い伸ばす、最終は軽めで併せ先着
・レースは雨の影響残って不良馬場の中38.0 – 63.3 – 37.9で残り5Fから0.5加速して12.1 – 12.0 – 12.4 – 12.2 – 13.3という上がりかかる展開
・外枠からスタートすると単独2番手を追走、残り5Fから外から押し上げる馬が多く内に包まれる形で4角へ、直線内目から抜け出したが外から伸びた差しの組に交わされての6着、先行して上がりもまとめられる強みを考えれば道悪で上がりかかりすぎる展開は好みではない

【9】日経賞:1着:2ヶ月:横山武
・ここも別定で斤量は53kg、追い切りはW主体で全体的に軽めの時計、これで馬体は-8kgしていた、最終追い切りが単走で行われたのは初
・レースは時計かかり気味の良馬場で入りの5Fが62.9、上がり3Fが34.9の展開で残り5Fから0.8加速して11.7 – 12.1 – 11.8 – 11.3 – 11.8というスローから若干ロングスパート気味の展開
・内目の枠からスタートするとインを先行、スタート後キャリアで初めて若干行きたがるところを見せて抑えられていたが1週目のスタンド前では落ち着いて折り合っていた、残り5Fから4角にかけて加速しても持ったまま追走できており手応えがよく、勝負どころ内が空くと追われて抜け出し、後続のカレンブーケドール、ワールドプレミアらの追撃を凌いで優勝
・本レースではコーナーでニュートラル(騎手が追い出していない)状態でも中山のインを上手く加速できておりコーナリング性能が高い

【10】天皇賞春(阪神3200m):5着:1ヶ月:横山武
・斤量は過去最重量の56kg、追い切りは南W主体週末は坂路で1週前に全体から負荷をかけて最終は終い伸ばす形での調整、最終は前走に続いて単走だった
・レースは35.8 – 59.8 – 121.3 – 37.4で前半の1600mは11.9付近が続く持続的な展開から13.1 – 12.6と2F息を入れると残り6Fからは再び12.0付近が続く展開でラスト4Fは11.9 – 12.1 – 12.3 – 13.0とゴールへ失速していくタフな展開
・外目の枠からスタートすると控えて中団の外目を追走、レース後鞍上から「適距離ではなかったですから」とコメントがあり、適性より長い距離で前半ある程度締まった上に外枠だったことで攻めて先行できなかった形、道中も折り合って終始外目を追走すると勝負どころ残り3Fから外から追い出された、直線も外から勝ち馬を追いかける位置だったが伸ばし切れず、さすがに脚が上がったような形だった、スタートから最後まで終始外目を周っており上位の馬たちとは距離ロスの差もあった

【11】オールカマー:1着:5ヶ月:横山武
・追い切りは3週続けて南Wで5F67.3以下が出されるなど明らかに今まででより内容が良化し末までしっかり伸びていた、それでいて馬体は+14kgで休み明けでも状態が良かった可能性が高い、最終は単走
・レースは36.1 – 60.7 – 35.3で残り6Fから0.3加速して12.1 – 12.0 – 11.8 – 11.5 – 11.7 – 12.1という若干スローからロングスパートの展開
・最内枠からスタートすると先行のインを追走、残り4F付近から各馬追い出し始めたが本馬は最内を引っ張りっきりの手応えで追走していた、直線に入ってから追い出されると前をカットされ進路が塞がったが残り200mから外目に切り替えられると抜け出して上がり最速で優勝、かなり脚が溜まっていた、先行力にしてもコーナリング性能にしても競馬がかなり上手なタイプで完璧にロスを省いた競馬ができる可能性が高いのが強み
・【9】戦目日経賞に続いてスローからのロングスパート戦で優勝、前目につけられる脚質と長く良い脚を使える強みからこの展開への適性はかなり高い

【12】エリザベス女王杯:16着:1ヶ月半:横山武
陣営からは「持病の肘が悪化しケアをしながら調整を進めてきた」とコメント、追い切りは時計こそしっかり出されていたが、1週前には併せ遅れていた
・レースは時計かかり気味の良馬場の中34.1 – 59.0 – 36.5で残り2Fから前が変わって0.4加速する前の組にはキツく、上がりかかる展開
・中枠からスタートするといつも通り先行して3番手外目を追走、勝負所残り500m付近から追い出されたがその時点でもう手応えはなく、直線は後退するだけの16着敗戦、肘の影響で状態がかなり悪かった

5歳

【13】大阪杯:16着:3ヶ月半:松岡
・追い切りは南W主体週末坂路で2週前には併せ遅れながら6Fから自己ベスト6F79.9 – 65.2 – 11.9が出されておりかなり意欲的に追われていた、最終は単走、陣営からは「肘腫の影響は今はなく(中略)、オールカマー当時に比べると一息だが(中略)、あとは輸送で馬体が減らなければいい」とコメント、当日の馬体は-10kgと減ってしまっていた
・レースは34.6 – 58.8 – 35.8でスタートの200m – 400mで10.3が入って早めの入りから、その後は12.1付近が続いた、残り4Fから0.4加速すると11.7 – 11.5 – 11.8 – 12.5とゴールへ失速する4F戦
・中枠内目からスタートすると出て行って3番手のインを追走、勝負所残り4F手前ではもう追い出され始めたが手応えなく、直線では失速するだけで最下位16着敗戦

【14】宝塚記念:7着:2ヶ月半:松岡
・ここも意欲的に追い切りが行われ1週前には5F換算自己ベストの6F80.1 – 64.7 – 11.0が出されていた、輸送による馬体減も見越してか早めの栗東入りを行い最終追い切りは栗東CWで行われていた、内容は単走で終い重点、その甲斐もあって当日は前走から+14kgしていた
・レースはパンサラッサの逃げる展開で33.9 – 57.6 – 36.3と序盤から飛ばして上がりかかる展開、ラスト3Fは11.9 – 12.0 – 12.4
・中枠外目からスタートすると中団前目の外を追走、勝負所残り3F過ぎで外目から空いた内へ進路を切り替えると直線逃げ馬を追いかけるように追われたが上がりかかる中で末脚を伸ばせるタイプの馬に抗えず7着まで

【15】札幌記念:3着:2ヶ月:松岡
・陣営は「今は肘の具合が良く、体調は上向き」とコメントしていた、追い切りはW主体で最終のみ札幌芝で行われていた、馬体は前走からさらに+12kgしており過去最高馬体重だった
・レースは重く時計かかり気味の良馬場の中、35.5 – 59.5 – 37.7で、道中は12.1付近が続く持続的な展開からラスト3Fは12.4 – 12.6 – 12.7と上がりかかる展開
・中枠からスタートすると出て行って1角までにインを確保して好位を追走した、道中は外に勝ち馬ジャックドールを置いて前に逃げ馬を見る展開、勝負所では残り4Fから手綱を動かすとラチ沿いをじわじわ加速していき4角手前ではもうムチを入れられて2列目の最内から直線へ、直線ではラストまで懸命に追われたが前にいた2頭との差が最後まで詰まらない形で3着

【16】エリザベス女王杯(重):2着:2ヶ月半:レーン
・陣営は「今年は肘の具合が良く過去2回とは状態が違う」とコメントしており具合は良さそうだった、追い切りはW主体で2週前には6F自己ベストタイの6F79.9 – 65.1 – 12.4が出され併せ先着していた、1週前当週は単走終い重点で、輸送難を考慮して早めに栗東入りして最終は栗東で行われていた
・レースは重馬場の中35.3 – 60.3 – 36.4で、序盤重馬場にしては若干速いペースで進めると残り4Fから0.4加速して11.8 – 11.9 – 12.3 – 12.2と上がりかかる4F戦
・外目の枠からスタートすると外枠だったのもあり無理には出していかず中団前目の外を追走した、勝負所では楽な手応えでスムーズに外目を加速していき直線で抜け出して残り200m手前で先頭に立ったが、外から上がり最速で伸びた勝ち馬に差されての2着
度々道悪が苦手と取れる陣営コメントがあったが、重馬場でも結果を出した

【17】香港ヴァーズ:1着:1ヶ月:レーン
・内目の枠からスタートすると少し行きたがるのを抑えられながら中団の馬群を追走した、道中は馬群が流動的な中で本馬は折り合い重視で追走しポジションは後方になっていた、勝負所では残り5Fから手綱を緩め、残り3Fから追い出しを開始して外から進出した、そのまま外をまわし後方の大外から直線へ、直線では他馬をまとめて差し切って1馬身半差で優勝
・レース後陣営は「レーン騎手と事前に考えていた作戦どおりではなかったですが」とコメントしており、差しにまわる競馬は元々想定していた形ではなかった

6歳

【18】ドバイSC:6着:3ヶ月半:レーン
・内枠からスタートすると中団前目のインを追走した、その後馬群が加速していくのに付き合うと中団のインの位置取りから直線へ、直線では周りと同程度の脚となって6着まで

結論(再掲)

■デビュー当初から折り合いが良く、先行力もあるために操縦性が高く終始最内を周ってロスを完全に省いた競馬ができること、先行力がありながらゴールまで長く脚を使って末もまとめられること、小回りのコーナーでもニュートラルで(追い出さずに)コーナリングし加速できることが強みで、【9】戦目日経賞や、【11】戦目オールカマーで結果を出しているように、序盤スローでいって残り5F付近からロングスパートする展開への適性が高い
■関西圏へは7度輸送されているが馬券圏内はエリザベス女王杯での1度のみで、遠征対策での早めの栗東入りなども行われているように遠征よりも地元競馬、滞在競馬での方が調整しやすいタイプである
■肘に持病を抱えており、この影響もあって調子にはかなりムラのあるタイプで、過去追い切りで併せ遅れていた秋華賞、エリ女2021、大阪杯の3戦では全てで大敗しているように、併せ馬で遅れるような状態では黄色を通り越して赤信号と判断できる
■道悪については過去に陣営や鞍上から苦手とも取れるコメントも出ているが、エリ女2022では重馬場でも結果を出しており、大きくは割り引かなくてもよい
■札幌記念自体は昨年も結果を出しているように適正はあるだろうが、今年は2週前追いの段階で鞍上からは「ちょっと体の張りが足りなくて、息も少し重い。幅もなく感じる」とコメントが出ており、1週前追いでは3歳未勝利相手に併せ馬で遅れている、赤信号と判断してここでは軽視したい

Gregory

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