天皇賞秋の各馬分析2頭目はイクイノックス。GⅠ4連勝中、キャリアで3着以下なしとレーティングを含めて現状異議なしの世界最強馬です。昨年の天皇賞秋から一度も負けずにまた天皇賞秋だってさ。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
天皇賞秋の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
イクイノックス:牡4歳:キタサンブラック×欧州型:前走宝塚記念1人気1着:ルメール
結論
■東スポ杯、天皇賞秋、ドバイSC、宝塚記念と休養明けでも素晴らしいパフォーマンスを出しており、おそらく休み明けからある程度走れるコンディションに持ってこれるタイプ
■18頭立ての大外枠だった皐月賞とダービー以外では負けていないところから、そもそも適性を計りづらい面はあるが、距離ロスがかなり大きかった宝塚記念でも差し切ってしまう実力から、より固く決まりやすい舞台である天皇賞秋が積極的に買えるタイミングであることは明らか
■ジャックドールが持続的な逃げを打ってマイル指向の適性が求められた時にマイルでの実績がないのは多少気になるが、同様に実績のなかったレイデオロが勝利しているように思いっきり評価を下げるほどの要素ではない、ダービーで敗れたドウデュースが参戦しても臨戦過程含めて1人気になるのは明らかで頭固定の馬券に妙味があるかは疑問も4着以下を臨む馬券も無駄金か、軸級
全レース分析
2歳
【1】新潟1800m新馬:1着:ルメール
・追い切りは南W主体の週末坂路での調整で、併せ馬も行われていた、最終は5F65.9 – 11.6
・レースは36.1 – 60.5 – 34.7で、道中スローから残り3Fから0.6加速して11.6 – 11.3 – 11.8という展開
・内枠からスタートすると好位のインを追走した、直線も内目から進入すると馬なりで抜けだして先頭に立ち、残り400mから追われると上がり最速で突き抜けて優勝、ここでは力が違った
【2】東スポ杯2歳S:1着:3ヶ月:ルメール
・追い切りは前走同様南W主体で週末坂路での調整も、Wでの時計は終い重点の内容が目立っていた、陣営は「普段の調教でも課題がありギアがもう一つ上がってこない、重賞のメンバーでどれだけやれるか」と自信なさげなコメント
・レースは36.2 – 60.3 – 34.3で、残り3Fから0.6加速すると11.0 – 11.9 – 11.4と最後抜け出した本馬の影響が出たラップ
・最内枠からスタートすると外から先行する馬が多く、本馬は控えて後方のインコースを追走した、勝負所4角でインアウトで直線馬場の外目へ出されると上がり最速32.9で2馬身半差の優勝、ここでも実力は抜けていた
3歳
【3】皐月賞:2着:5ヶ月:ルメール
・追い切りは同じパターンで1週前に負荷をかけて、当週は終い重点、馬体は+10kgしていた
・レースは35.2 – 60.2 – 34.9で、ラスト3Fは12.0 – 11.4 – 11.5と残り2Fからの加速が大きい展開
・大外枠から少し遅れ気味にスタートを切ると中団外目に位置していたが、前に馬を置けず少し番手を上げる形で向正面では好位の外目を追走した、道中は落ち着いて追走できていた、勝負所ほとんど馬なりで外から加速していくと、馬場の真ん中に出されて直線へ、伸びて抜け出しにかかったが更に外から勝ち馬に差し込まれて2着まで
・5ヶ月の休み明けながら2着と結果を出した
【4】日本ダービー:2着:1ヶ月半:ルメール
・追い切りはWで2本、間の週末に坂路で、3本いずれも併せ馬で終い重点の内容が目立っていた、馬体重は-8kg
・レースは35.1 – 58.9 – 35.2で、道中は11.9付近が続く緩まり切らないラップからラスト3Fは11.5 – 11.7 – 12.0とゴールへ失速する展開
・大外枠から若干遅めのスタートを切ると行き脚もつき切らず後方3番手から、道中は折り合って進め、3角過ぎから徐々に促して加速していくと外にキラーアビリティがいて本馬は外に出しきれず馬群を突くような形で直線へ、直線に入ってから外へ外へ出されると勝ち馬を追いかけるように伸びて上がり最速を使ったが、先に抜け出した勝ち馬を捉えられず2着
・直線で左手前に替えてからは伸びて前の勝ち馬に迫っていたがゴール手前で右手前に替えてからは伸びが鈍った、どちらかといえばという程度であるが、左手前の方が得意で故に右回りの方が向く可能性あり
・勝ち馬ドウデュースとの差で言えば大外枠と4角から直線で締められたのが痛かった
【5】天皇賞秋:1着:5ヶ月:ルメール
・追い切りはW主体で週末坂路のいつも通りの調整
・レースは34.7 – 57.4 – 36.7で、パンサラッサが一頭で飛ばして後続は離れた展開、そのパンサラッサが最後まで粘ったことでラストは11.6 – 12.4 – 12.7と失速するラップ
・中枠からスタートすると若干押していった、2角までに挟まれそうになり、下げたタイミングで少し頭を上げていたがその後は落ち着いてしっかり折り合っていた、序盤は中団馬群を追走していたが残り1200m(3角手前)で外に出されると勝負所残り700m付近から促された、直線は外に出されるとひたすら伸び続けて上がり最速32.7を使い逃げたパンサラッサを捉えて優勝
【6】有馬記念:1着:2ヶ月:ルメール
・追い切りはいつものパターンで最終追いでは、最終追いとしては新馬以来2番目に速い5F時計67.2 – 11.4が出されていた(新馬は5F65.9 – 11.6)
・レースは序盤スロー気味のペースで進めると勝負所では残り5Fから0.6加速して11.8 – 11.9 – 12.2 – 11.4 – 12.3と2Fから先行勢が交わされてラップが早まる展開、入りの5Fは61.2で上がりは35.9、風の影響で差し有利なコンディションとなっていた
・中枠からスタートすると中団の外目を折り合って追走した、勝負所では残り3F手前から加速していくと馬なりで先頭に立って直線へ、上がり2位であっという間に抜け出すと2馬身半差の圧勝、風もあり展開で向いてはこの舞台でも力が違った
4歳
【7】ドバイSC:1着:3ヶ月:ルメール
・中枠からスタートするとスローだったこともあり特に促しもせずにハナへ、レース映像から確認できる5F通過は62.9だった、勝負所では残り4F付近から徐々に加速していくと直線に入って追い出しを開始、ゴールまで五分ほどの追いのまま馬群を突き放して優勝、世界の舞台に立ってもこの展開では力が違った
【8】宝塚記念:1着:3ヶ月:ルメール
・追い切りは栗東滞在で栗東CW主体で、急仕上げ気味だったか1週前には自己ベストの6F79.3 – 65.0 – 11.6が出され併せ先着していた、最終追いは終い重点で併せ先着
・レースは34.0 – 58.9 – 35.5の前傾1.5で、残り4Fから0.6加速すると11.9 – 11.7 – 12.0 – 11.8という展開
・内枠からスタートするとある程度出して行ったがペースも早くポジション取れるほどではなかったため後方2番手を追走した、勝負所では残り4F手前から外からポジションを上げたジェラルディーナを追いかけるように大外から加速を開始した、残り3Fからは前を交わしにかかったがジャスティンパレスに張られ、加えて自身も外に振られるようなコーナリングでかなり外をまわって大外から直線へ、上がり2位を使ってラストまで伸びると差し切って優勝
・勝負所で本馬より距離ロスを省いた2着馬に進路を切り替えるロスがなければ差し切られていた可能性もあったほど進路のロスが多い競馬だった
結論(再掲)
■東スポ杯、天皇賞秋、ドバイSC、宝塚記念と休養明けでも素晴らしいパフォーマンスを出しており、おそらく休み明けからある程度走れるコンディションに持ってこれるタイプ
■18頭立ての大外枠だった皐月賞とダービー以外では負けていないところから、そもそも適性を計りづらい面はあるが、距離ロスがかなり大きかった宝塚記念でも差し切ってしまう実力から、より固く決まりやすい舞台である天皇賞秋が積極的に買えるタイミングであることは明らか
■ジャックドールが持続的な逃げを打ってマイル指向の適性が求められた時にマイルでの実績がないのは多少気になるが、同様に実績のなかったレイデオロが勝利しているように思いっきり評価を下げるほどの要素ではない、ダービーで敗れたドウデュースが参戦しても臨戦過程含めて1人気になるのは明らかで頭固定の馬券に妙味があるかは疑問も4着以下を臨む馬券も無駄金か、軸級
Gregory