過去レース分析

過去レース分析 【毎日王冠2024】

毎日王冠にトライ。札幌記念の不完全燃焼をここで晴らしたい。

レース概要・分析結論

【概要】
■例年4回東京2日(開幕週)に行われ、馬場はAコース。4回東京は6月末まで行われた3回東京の後、3ヶ月の間隔を開けて行われる。
■フルゲートは18頭で斤量は別定3歳55kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減。GⅠおよびGⅡでの戦績によっては斤量が増加される。1着馬には天皇賞秋への優先出走権が与えられる。

【結論】
■開幕週の良好な馬場状態で行われる影響もあり道中はラップが緩まない持続的な展開になることが多く、2019/2021/2022年のようにラスト1Fを落とすようなラップだと各馬実力を発揮しやすく、固い決着を視野に馬券を組む必要がある
同率を含めた過去5年の上がり最速馬は(4-1-0-1)であり、着外の1頭もスローでシュネルマイスター、ソングラインらが詰まって脚を余した2023年の最速馬アドマイヤハダルの1頭のみと、開幕週×東京1800mで国内トップレベルで末脚が活きる、この手の馬が人気するのは常だが、普段以上に評価する必要がある
■一方で、2023年のようなスローになると下記のような前後の位置取りだけでは語れない傾向が出るため、隊列予想の重要度が増す
・末脚をまとめられる先行馬が粘りこむチャンスがある
・馬群が凝縮していて高速上がりを使える差し馬が上がりだけで差し切れる
・馬群が凝縮し先行馬にも脚が残っていることで差し馬が詰まりやすい
■以上のようにデータ化できる傾向が少なく、馬券としては展開予想、隊列予想、実力評価、妙味評価、買い方など総合力が試される

過去レース分析

【入り3F5F、上がり3Fの平均】
過去5年:35.1 – 58.5 – 34.6 (後傾0.5)
ー 良馬場4年:35.2 – 58.6 – 34.4 (後傾0.8)
ー 道悪1年:34.5 – 58.0 – 35.4 (前傾0.9)

2019年

35.5 – 58.5 – 34.3(後傾1.2):1:44.4(良):10頭

【所見】
■過去5年で同率最小頭数の10頭立てで、ラップは良馬場の平均に近い流れ、勝ち時計は2番目に速かった
■レースは200m – 1200mが11.3 – 11.3 – 11.5 – 11.5 – 11.6と11.6以下が続く持続的な展開で、ラストは残り3Fから0.4加速して11.2 – 11.3 – 11.8とゴールへ失速するラップ
■道中持続的なラップになったことで地力が求められた形で、また、上位人気と下位人気に実力的に大きな差があった印象で、後の覇者も含めると1-4着馬は全てGⅠ馬で1-4人気で人気順に決着しており、ペースが流れて地力勝負の展開×上位人気馬と下位人気馬の実力に大きな差がある時にはガチガチの決着を視野に馬券を検討
■また、道中持続的なラップになると固い決着になりやすい理由として、馬群が凝縮しづらく、4角から直線で人気馬が進路を見つけられないなどの波乱要素が弱まることがある

【好走馬】
■1人気1着:8枠9番:牡3歳:ダノンキングリー:ディープ×StormCat:前走ダービー3人気2着
・東京ではダービーの他に共同通信杯を上がり最速32.9での優勝があった、これまでにGⅡ以上の優勝がなく3歳牡馬で斤量は54kg
・外枠からゲートが開く直前でゲートに突進するような形で出遅れると最後方の内目を追走した、勝負所から直線ではインアウトで出されると後方から追い込んで2位より0.6速い上がり最速33.4で前年覇者のアエロリットを1.1/4馬身差し切って優勝
・ダービーで僅差の2着の実力馬ながら斤量増なく出走できたのは大きかった印象で、実力、斤量、東京適正などを評価したかった
■2人気2着:3枠3番:牝5歳:アエロリット:クロフネ×SS系:前走安田記念3人気2着
・前年の本レース優勝で斤量は+1kgの55kg、安田記念2着からの臨戦も前年と同様で、ラップ的には昨年よりも道中締めて持続的な展開にしてきた形
・内目の枠からスタートすると直後に1つ外のインディチャンプと馬体が接触したが大きな不利はなくスムーズに逃げた、道中は11.6以下が続く緩めないペース、ラストは直線に入って追われると番手を追走したインディチャンプに一瞬の脚で前に出られたが、残り200mから差し返すと1.1/4馬身先着したが外から断然の末脚を使った勝ち馬に差されての2着
・リピーターかつ逃げ先行馬という点で軸には指名しやすかった
■3人気3着:4枠4番:牡4歳:インディチャンプ:ステイゴールド×キンカメ:前走安田記念4人気1着
・前走の安田記念勝ちで斤量は+2kgの58kg、東京においては同年に東京新聞杯勝ちもありマイルで2戦2勝だった、3歳3月の毎日杯以来のマイルより長い距離だった
・中枠内目から出走馬の中で一番良いスタートを決めると出ていって2番手の外を追走した、道中は残り1200m付近までは若干ハミを噛んでいたがそれ以降は落ち着いて折り合っていた、直線に入ると手応え良く馬なりで逃げ馬に並びかけて残り200m手前から追い出されたが、逃げ馬に差し返されての3着
・使える脚が短く(トップスピードを維持できる時間が短い)、1800mという距離でパフォーマンスを落とした形、加えてここは次走のマイルCSへの叩きの色もあり、斤量も+2kgと割引材料が多い中で地力での好走

【凡走人気馬】
該当なし

2020年

34.5 – 58.0 – 35.4(前傾0.9):1:45.5(稍重):11頭

【所見】
■過去5年唯一の道悪だが入りの3Fは過去5年同率1位、5Fは0.1差の2位のハイペースで、それゆえに上がりは最もかかり過去5年唯一の前傾ラップとなった、勝ち時計は5位
■レースはコントラチェック・ダイワキャグニー・トーラスジェミニと逃げ馬が揃ったことで入りの3Fが速いハイペースとなり、600-1200mでは11.7 – 11.8 – 12.1と緩んで、ラストは残り3Fから0.3加速すると11.8 – 11.9 – 11.7と、ラスト1Fは加速したが抜け出したサリオスの作ったラップで、馬群としてはゴールへ失速している展開
■2 – 5着は0.2差の中に収まっており、単勝1.3倍の1人気だった優勝馬が抜けていて後は団子というメンバー構成であった、好走馬の買い要素も凡走人気馬の切り要素も少なく、このような構成の際には無闇に勝負をせず、見をして回収率100%、資金を次戦に繰り越しも視野に検討したい
■離れて飛ばした前の2頭を除けば4角3.4.5番手と前にいた組で決着しており、良馬場より若干差し届きにくい稍重だった可能性がある、道悪の際にはメインレースまでで馬場傾向を注視して臨みたい(良馬場でも馬場傾向の確認は必要だが)

【好走馬】
■1人気1着:7枠9番:牡3歳:サリオス:ハーツクライ×ドイツ系欧州型:前走ダービー2人気2着
・東京ではサウジアラビアRC1着、ダービー2着などがあり、キャリア5戦3勝でコントレイル以外には負けていなかった
・外目の枠からスタートすると折り合って中団前目の外(4番手)を単独で追走した、4角から直線もスムーズに若干外目から直線に進入すると馬なりでついていって残り300m付近から追い出されると残り200mでは先頭に立ち、抜け出して上がり最速で3馬身差の優勝
・ここでは力が違った上、過去レースから1800mでは中団よりは前の位置が取れるだろうことも考慮すれば本命にして当然のタイミングだった
■4人気2着:5枠5番:セ6歳:ダイワキャグニー:キンカメ×SS:前走エプソムC(不良)9人気1着
・東京では前走の重賞制覇のほか、1800mや2000mでOPやL勝ちがあった
・中枠からスタートすると直後かなり促されて先行したが、速い馬が2頭おり控えて2番手から離れた3番手を追走、道中は終始勝ち馬にマークされていた、直線に入ると馬なりで前との差を詰めて残り400m過ぎから追い出され残り200mで先頭に立ちかけたが、外から勝ち馬に交わされてしまった、その後は3 – 5着馬が外から迫ったがなんとか凌いで2着
■5人気3着:6枠7番:牡5歳:サンレイポケット:欧州型×米国型:前走新潟記念5人気3着
・東京では不良馬場の2400m3勝クラス勝ちのみであり、後方から差す競馬をしていたが、ここではある程度ポジションを取って結果を出した
・中枠からスタートすると押して中団の外で勝ち馬をマークして追走した、直線勝ち馬の外から追われると左ムチを入れて外へ行きながら伸びた、ラスト200m付近から今度は右ムチを入れるとグンと伸び脚を見せての3着、ムチの入れ方次第では2着はあったかもしれない
・相手候補の実力が団子の際には、例えば本馬のような馬のいきなりの脚質転換(後方⇨中団)などの予想が難しい要素で着順は容易に入れ替わるため、見も検討したい

【凡走人気馬】
■3人気5着:4枠4番:牡4歳:ザダル:ディープ系×米国型:前走新潟1800m関越S(OP)1人気1着
・東京ではプリンシパルS(L)1着、同舞台のメイS(OP)を上がり最速で3着があった
・中枠内目からスタートすると中団のインを追走、そのままスムーズに直線でも内目から追われると本馬なりに伸びたが差を詰められるほどではなく4角位置と同様の5着まで
■2人気10着:7枠8番:牡3歳:サトノインプレッサ:ディープ×米国型:前走ダービー9人気4着
・東京ではダービーを中団後方から上がり3位で4着があった、デビューから5戦全てで遅い、もしくは出遅れでのスタートであり、ここでは大きく出遅れた
・外目の枠から大きく立ち上がるように出遅れると後方からになった、勝負所残り700m付近から外目を追い出されると手応え良さそうに直線へ進入したが全く伸ばせず10着敗戦

2021年

34.8 – 58.5 – 34.6(後傾0.2):1:44.8(良):13頭

【所見】
■過去5年の内入りの3Fは3番目に速く、5F通過も同率3位、上がりは4位でラップは最も平均に近く、勝ち時計も3位と平均的だった
■レースは大外枠から逃げた馬が道中引っ張る展開で、序盤3Fを飛ばして入ると、その後11.9 – 11.8 – 11.7を入れて、ラストは残り3Fから0.4加速して11.3 – 11.4 – 11.9とゴールへ失速する展開
■1人気、2人気の2頭が能力的に抜けており、着差で見てもその差がそのまま出たような形で、1.2着の着差を考えると馬連3.5倍1点が正解だったか
■道中緩まないラップになると馬群は縦長になり、直線が長いのも相まって枠の内外の有利不利はそう大きくない
2019年同様、道中ある程度流れて地力勝負になった形
■勝ち馬は2位より0.5速い上がり最速を使って差し切っており、東京の開幕週で行われるGⅡなだけあっていわゆる鋭い末脚が存分に生きる舞台である

【好走馬】
■1人気1着:1枠1番:牡3歳:シュネルマイスター:欧州型×欧州型:前走安田記念4人気3着
・NHKマイルC1着で斤量は+2kgの56kg、東京ではこの他に前走の安田記念3着とマイルでのGⅠ好走歴があった
・最内枠からスタートすると直後バランスを崩したことで後方からになり、道中は後方のインを追走した、勝負所から直線では馬群を突く位置で、残り400m付近から外目に出されると長い直線を伸び続けて2位より0.5速い上がり最速で先に抜け出した2人気馬をアタマ差差し切って優勝
・3歳馬で安田記念を好走するなど能力的に上位なのは明らかで、外枠の逃げ馬が道中のラップを引き上げる展開で地力が求められる点を読めていれば評価できた
■2人気2着:5枠7番:牡5歳:ダノンキングリー:ディープ×StormCat:前走安田記念8人気1着
・前走の同年の安田記念勝ちで斤量+2kgの58kg、東京では共同通信杯、ダービー、毎日王冠、安田記念と多数好走歴があった
・中枠からバランス悪いまま1歩目を踏み出した影響で大きく出遅れて後方からで、序盤は後方の外目を追走した、道中では残り1200m過ぎで意識的に外に出されると外から一気に番手を上げて3角では中団の外を追走、直線ではそのまま外目に出されると上がり3位で伸びて残り200mでは先頭に立ったがゴール前で勝ち馬に差されての2着
・出遅れた分で差されたような着差であり、ここは1.2着の着順を当てにいくのではなく2頭が抜けていると判断して馬連3.5倍で勝負したかった
■4人気3着:4枠5番:牡4歳:ポタジェ:ディープ×米国型:前走新潟大賞典1人気2着
・東京ではプリンシパルS(L)2着、白富士S(L)1着など2000mのL競走で好走歴があった
・中枠内目からスタートすると多少出していって中団前目のインを追走した、勝負所では外から上げてきていた2着馬ダノンキングリーに被されないように徐々に外目へ出していくと前から3頭目、内から3頭目付近で直線へ進入した、直線本馬なりにしっかり伸び続けると自分より前の組は交わしたが上位2頭には交わされての3着

【凡走人気馬】
■3人気8着:8枠12番:牡5歳:ヴァンドギャルド:ディープ×欧州型:前走ドバイターフ4人気2着
・前年の富士S勝ちで斤量は+1kgの57kg、東京では富士Sの他に3勝クラスを1800mで勝利があった
・外枠からスタートすると枠なりに中団の外目を追走した、道中は少し口を割るような形で引っ掛かり気味だった、3角までに2着馬がポジション押し上げてその後ろでマークするような追走となった、勝負所から直線ではそのまま2着馬を追いかけるように追われたが伸ばせず、9着敗戦
・レース後鞍上は「480kgということで、動き切れず伸びきれませんでした(480kgは過去最高馬体重)」とコメントしており、秋初戦で休み明けの馬も多いため、休み明けで太めの段階からパフォーマンスを出せる馬かどうかは過去の成績などを注視したい

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